幾つかの注意事項

1)いま寺島先生は心臓病の手術後あまり体調が良くないそうですが、それにもかかわらず最近ますますお忙しくなってきておられますので、ひとつひとつの実践を査読している暇がだんだんなくなってきているとのことでした。

 今まで維持されてきた研究会「記号研」および、その交流の場であった「掲示版」も閉じたいと言っておられるほどです。そこで記号研「掲示版」に代わる実践交流の場として、このHPを用意しました。

 

2)このHPの趣旨については、寺島先生からも御賛同をいただいています。ただし授業で「寺島メソッド」を使ったり学会や研究会で発表される場合、必ず著作権について口頭またはプリントに明示してほしいとのことでした。

 なお寺島先生は「寺島メソッド」の著作権については、従来の(C)という考え方ではなく、クリエイティブ・コモンズCreative Commonsの考え方に従って、(CC)という記号を使った表示をしてほしいとのことでした。

 

3)クリエイティブ・コモンズCreative Comonnsの考え方については寺島先生のブログ「百々峰だより」の下記記事に簡単な説明がありますので、これを御覧ください。(もっと詳しく知りたい方は、「ウィキペディア」の同項目を検索して読んでみてください)

 

『電脳技術の天才 アーロン・スウォーツ Aaron Swartz の死を考える(1)』――クリエイティブ・コモンズCreative Comonnsがめざしたもの
http://pub.ne.jp/tacktaka/?search=1&page=5&mode=&keyword=Aaron+Swartz


4)クリエイティブ・コモンズCCの下図が示すように、次の三つのアイコンで著作権の使用法を明示しています(他にSAというアイコンがあるのですが、ここでは割愛します)。

CC-BY-NC-ND-icon-88x31.png

 

上記のアイコンの下に、[BY、NC、ND] という三つの文字がありますが、BYは「著作権者の明示」、NC(Noncommercial) は「非営利、商用の禁止」、ND(No Derivative Works)は「改変の禁止」を示すものです。

 

5)なお「寺島メソッド」には、英文法の「記号づけ」と英音法の「記号づけ」の二つがありますが、寺島先生は 、著作権[BY、NC、ND] のうち「ND:改変禁止」だけを放棄し、「BY:著作権者の明示」、「NC:非営利、商用の禁止」の権利は保持されています。

 というのは、授業で「記号づけプリント」を作る場合、先生方の中には、寺島先生の理論書・実践書を自分なりに解釈して、改変しながら実践されている方が少なくありません。これを禁止することは、より良い実践研究の妨げになるからです(ただし「改善」しながら実践しているつもりが「改悪」になっている場合もあります)。

 寺島先生が学会や研究会で「寺島メソッド」を使った実践を発表する場合、先生が査読されたものでないかぎり、口頭または文書で著作権を明示すると同時に、それを「どういう理由で」「どのように改変したか」をきちんと述べてほしいと希望されているのも、以上のような理由だからだそうです。

 

6)寺島先生が「NC:非営利、商用の禁止」の権利を保持されているのは、かつて予備校の先生から「寺島記号」「寺島メソッド」を使わせてほしいとの依頼があったからです。

 公文式は学校教育で自分の方法を禁じていますし、公文塾の講師が公文で使っているプリントを外に持ち出すことを禁じていますが、寺島先生は、学校教育で「寺島メソッド」が使われ、生徒も教師も救われること、日本の英語教育が一歩でも前進することを願っておられます。

 しかし「寺島メソッド」が金儲けの手段になることを望んでおられません。ですから塾や予備校などで著作権について言及なくこれを使用することは、許しがたいことだと思っておられますが、先生が指導された院生の中に「予備校でこの方法を使った読解方向を教えてもらい英語に自信がついた」という学生がいて非常に驚かれたそうです。

 

7)最後に、もうひとつだけ補足させていただきます。

 御承知のように、「寺島メソッド」は「英文法の記号づけ」と「英音法の記号づけ」のふたつを使いながら読解指導と音声指導をするところに大きな特徴があるわけですが、初級レベル→中級レベル→上級レベルと、レベルが上がるにしたがって、その指導方法もプリントの作り方も、さまざまに変化していきます。

 たとえば音声指導では、「リズムよみ」→「通しよみ」→「表現よみ」(あるいは「合わせよみ」)といったように変化/発展していきます。ですから、単に「英文法の記号づけ」や「英音法の記号づけ」だけが、「寺島メソッド」なのではありません。

 したがって「リズムよみ」などの指導方法についても、学会や研究会で発表される場合、口頭または文書で、考案者について必ず言及していただきたい、というのが寺島先生の御希望です。私も実践研究者のマナーとしてそれは当然のことではないかと思っています。皆さんの御協力をいただければ幸いです。

 

(最近、「記号研」会員のかたには定年で学校を退職された後、自分で塾を開いたり、友人の経営する塾に雇われて、英語を「寺島メソッド」で教えるかたも現れるようになってきていますが、このかたたちは今でも「記号研」会員であり年会費も払っていますから何の問題もないでしょうが、そうでない場合は、やはり倫理的には問題であるように思います。)

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動詞に○、連結詞に□という記号は寺島隆吉先生の発案です。

 

強勢がない音節に小さい〇、強勢のある内容語の音節に大きな□をつけたプリントを使ってリズムをとりながら行う「リズムよみ」という音読法やその後の「通しよみ」「合わせよみ」などの言葉も寺島先生の発案です。

2009年3月1日 (日) 14:42時点における版のサムネイル

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